Y.Nさんのインタビュアーを務めるのは新入社員のS.Rです。
入社からこれまでの主な仕事内容を教えてください。
主に損害保険会社向けのシステム開発に携わってきました。過去に一度だけ、1年ほど生命保険の案件にも関わったことがありますが、それ以外は複数の大手損保企業のプロジェクトを担当してきました。
使っている技術などは何でしょうか。
主に汎用機環境での開発を行っており、使用技術としてはCOBOL、JCL、IMSデータベース、DB2などがあります。DB2に関してはSQLも使用しており、一般的な業務要件に対応できるレベルのスキルを有しています。
ご結婚されて3人のお子様に恵まれましたが、産休から仕事復帰はどのようにされていましたか?
第一子の際は産休のみ取得し、産前に民間保育園を予約していたため、産後2ヶ月で職場復帰しました。時短勤務を利用し、1時間ほど早く退勤させていただいていました。第二子の際は保育園の空きがなく、やむを得ず1年間の育児休業を取得しました。保育園の入園状況は出生時期によって大きく左右されるため、復帰のタイミングが難しいこともありました。第三子については、幸いにも生後約3ヶ月で保育園に入園できたため、復帰時期に合わせてプロジェクトの調整をしていただきました。
仕事と育児を両立させようと考えたきっかけ、理由を教えてください。
私自身、特にマルチタスクが得意というわけではありません。ただ、育児におけるストレスを家庭内だけで抱えることに不安がありました。特に、言葉が通じない乳幼児と1対1で向き合うことに自信が持てず、精神的な負担を感じることが多かったです。 そのため、仕事を通じて外の世界と関わることで、気持ちを切り替えたり、ストレスを発散できる時間を持ったりすることが重要だと感じました。仕事中は育児の細かなこと(たとえば食事の準備やおむつ替えの頻度など)から一時的に離れることができ、結果的に家庭内の雰囲気も良好に保てるようになりました。 ですから、「仕事と育児を両立する」というよりは、それぞれの場面で自分自身のバランスを取るための手段として、仕事を続けることを選んだというのが正直な理由です。
産休明けの仕事にはどのような気持ちで挑みましたか?
育児中はどうしても子どもに関する話題が中心になりがちで、保育園やママ友との会話も育児に関する内容がほとんどでした。ただ、私は「自分はそれだけではない」と感じていて、社会や技術が日々進化していく中で、自分が取り残されることへの不安もありました。 仕事に復帰することで、育児以外の話題に触れられる環境ができ、精神的にも良いバランスが取れるようになったと思います。私にとって育児と仕事は、まるでシーソーの両端のような存在で、どちらかに偏りすぎると心のバランスが崩れてしまうこともあります。 育児で悩んだ時には仕事での会話が気分転換になり、逆に仕事でうまくいかない時には、家で子どもが笑ってくれる姿に救われることもあります。そうした意味で、仕事は育児と対になる大切な存在として、前向きな気持ちで復帰しました。
仕事先についてどのような勤務調整、相談がありましたか?
プロジェクトに参画する際には、子どもの年齢や育児の状況を事前に伝え、突発的なお休みが発生する可能性があることを理解いただいた上で、上長や営業担当の方を通じて調整をしていただいていました。 実際の現場でも、保育園からの急な連絡などで早退をお願いすることがありましたが、周囲の方々が「早く帰ってあげな」と温かく声をかけてくださる環境に恵まれ、本当にありがたく感じています。その分、勤務時間中はできる限り貢献しようという気持ちで取り組んでおり、「助かったよ」と言っていただけると、とても嬉しく思いました。 時には予想外の連絡もありました。たとえば、長男が両耳にBB弾を入れてしまい、母から「耳鼻科に連れて行ってほしい」と連絡が来たことがあります。突然のことで驚きましたが、職場の理解があったおかげで対応することができました。そうした経験も含めて、周囲の支えがあってこそ、育児と仕事の両立ができていると実感しています。
仕事と育児のこれまでを振り返って思うことは何ですか?
正直に言えば、仕事も育児も「完璧にやりきった」と胸を張って言えるわけではありません。どちらも中途半端だったと感じることもありますし、働くお母さんたちの多くがそう感じているのではないかと思います。 ただ、完璧を目指すのではなく、「ここは頑張った」「ここは割り切った」と、自分の中で線引きをしながら進んできたことが、結果的にバランスを保つことにつながったのだと思います。 子どもたちが親を拒絶することなく、日々を楽しく過ごしてくれていることは、育児において大きな成果だと感じています。また、仕事でも周囲に助けてもらいながら、今も同じ職場で働き続けられているという事実は、自分なりにやってこられた証なのかなと、今は前向きに受け止めています。
就活生へのメッセージをお願いします。
当社はシステム開発を中心とした会社ですが、技術力だけがすべてではありません。もちろん、理系の学生の方などは大学でプログラミングを学んでいるかもしれませんし、最近では小学校でもプログラミング教育が始まっています。 ですが、実際の仕事で最も大切なのは「人との関わり方」だと私は思っています。技術は後からでも学ぶことができますし、努力次第で身につけることが可能です。 それよりも、どんな人と一緒に働き、どんな会話を交わし、どう信頼関係を築いていくか、そういったコミュニケーション力が、長く働く上で非常に重要になってきます。 実際、職場で孤立してしまうと、どんなに技術があっても辛くなってしまいます。だからこそ、人と関わることを楽しめる人、コミュニケーションを前向きに頑張れる人に、ぜひ来ていただきたいと思っています。
インタビュアーの感想
S.R
インタビューを通してY.Nさんの人生や考え方に触れる、貴重な体験をすることができました。仕事と対になるもう1つのものが必要というのは納得感があり、参考になる話を聴くことができたと思います。